日暮里富士見坂からの眺望を守ることに関する要望書

文部大臣 中曽根弘文殿
建設大臣 中山正暉殿
環境庁長官 清水嘉代子殿

 荒川区に所在する日暮里富士見坂は、二十三区で唯一富士山全体を西方に眺めることができ、数少ない台地からの貴重な眺望を今日に残すビューポイントとして、多くの都民に親しまれてきております。
 しかし、この坂と富士山との間には、高容積区域である台東区の谷中や文京区の不忍通り、本郷通りなどが位置し、マンション等の高層ビル建設により、眺望が脅かされています。既に、文京区の本郷通り沿いでのマンション建設工事により、日暮里富士見坂の眺望が大きく損なわれようとしています。
 荒川区におきましても、平成十一年十二月に策定された「都市景観基本方針」に基づき、魅力ある景観づくりを進めていく上で日暮里富士見坂の眺望の保全をはかっていくことが、重要であると認識していますが、行政区域をまたぐことであり、また、現行法規との関係もあり、荒川区だけでは、保全することはできません。
 したがいまして、政府におかれましては、東京における貴重な、唯一残った文化的財産である日暮里富士見坂の眺望を、将来に亘って守るための方策を講じられますよう、格段の配慮を要望いたします。

平成十二年五月十日
荒川区議会議長
北野榮一






註 原文は縦書きです。
「行政の見解」のページに戻る。

トップページに戻る。